arakawa FURNITURE 荒川家具arakawa FURNITURE 荒川家具

その家具と暮らす 荒川家具

Owners Column

  1. HOME
  2. Owners Column
  3. 一生もの

一生もの

2020/07/08

イメージ

一生使うものってどれぐらいあるのだろうか。車は乗ってもせいぜい十年ぐらいだろうか、洋服は流行もあるし、年齢や体型も変わるし、定番はあるにしても、いいものでも着続けられるものは少ないだろう。
家電なんかは、常に技術が新しくなるし、だいたい壊れるし、サイクルは早いだろう。住宅にしても、設備は十年もたてば壊れていくし、その家自体も最近は住み続けるということは、当たり前ではないかもしれない。

家具の寿命

家具はどうだろう。どんなに良いものでもソファや椅子など毎日座り劣化していくものは、ある程度で張替えや修理が必要になっていくだろう。しかし、いざ修理をしようとすると、新しいものが買える値段になる場合がある。そのソファに対する思い入れや愛着にもよるが、張替えするか買い替えるか迷うことになる。

テーブルや収納家具などは、よっぽどのものでない限り壊れることは少ないと思う。例えば新築の時に買った家族みんなが集まれる大きなダイニングテーブル。その当時流行った重厚なデザインのもの。テーブルの表面の塗装は剥げてはきているが、作りはビクともしない。だけど、子供たちも独立し夫婦二人きりになって、大きすぎると感じてきた。掃除するにも重すぎて動かすのも大変になってきた。ちょうど子供たちが新築することになって、このテーブル持っていく?と聞いても、デザインも新しい家に合わないし、大きすぎて入らないよなんて言われたりする。

イメージ

時を超えるデザイン

誤解を恐れずに言えば、家具を買うときに一生ものと思って買わなくてもいいと思う。もちろん家具は長く使えるものを選んだほうがいいと思うが、一生死ぬまでそれを使い続けるのは難しいかもしれないし、インテリアは楽しむもの、一生同じではつまらない。

いらなくなったら捨てるという意味ではない。インテリアの先進国、北欧の人たちは頻繁に家具やインテリアを変えるという。使わなくなった家具は蚤の市で販売したりして、次の使い手にバトンタッチする。そうすることでその時の暮らし方や環境を踏まえてインテリアを楽しむことができる。北欧諸国まではいかないにしても、私たちも生活環境が変わったときに次の使い手に家具をバトンタッチできたら素敵ではないか。

それには重要な要素が一つある。その家具が時を超えるデザインであること。車や洋服にも今でも人気のヴィンテージ品があるように、家具もアンティークになるような美しいデザインのもの。例えば、長年使った椅子があるとする。ほとんど使わなくなって、部屋の片隅に置いてあるのを、子供やあるいは孫たちが見つけて、この椅子かわいい、今度引っ越すから持っていきたい。と言われるような時を超えた美しいデザインの家具をぜひ選んでいただきたい。